酪農コラム/搾乳ロボットのユーザー紹介
コラム
今回は、搾乳ロボットを使用している酪農家がどのように搾乳ロボットを活用し飼養管理しているのかを紹介したいと思います。
今回お伺いしたのは陸別町にある「ローパイン牧場」様!
案内していただいたのは羽藤勲会長・樹美社長・和広副社長です。
■牧場の概要
【飼養頭数】
搾乳牛約270頭。
搾乳牛のみ飼養しており、全て外部購入で搾乳牛を揃えています。
【搾乳設備】
パーラー(17頭 搾乳可能)、搾乳ロボット(Lely)4台
【乳量と乳質】
個体日乳量38㎏、乳脂肪4.28%、乳蛋白3.42%、乳糖4.55%、MUN10.43㎎/dl、体細胞数40千個/ml
【繁殖成績】
平均受胎日数110日、平均授精回数1.8回。
全て和牛精液で授精させ、F1を産ませています。
■牛群の構成
・搾乳ロボット群
搾乳ロボットは、ミルク分離に設定した牛を搾乳すると必ず洗浄が入ります。洗浄中は搾乳することが出来ず、搾乳ロボットの搾乳可能時間が短くなり、稼働率が低くなります。また、泌乳後期などで乳頭配列が搾乳ロボットに適合せず、搾乳失敗が多い牛もフリータイムを圧迫します。ローパイン牧場様ではロボットの稼働率を高めるため、ミルク分離が必要ない分娩後5日~乾乳日(分娩予定の60~50日前)までのロボット適合牛のみを集め、ロボット1台当たり55頭前後の牛を1群で管理しています。
搾乳ロボットのトラブルなどが発生しても対応できるように、フリータイムを25~26%とゆとりある設定にしていました!
・パーラー群
搾乳ロボットの牛舎には、ホスピタルエリアは設けていないため、分娩後5日未満の牛や投薬中の牛やロボット不適合牛などをパーラーで搾乳しています。
パーラーは1回で17頭が搾乳できるとのこと。搾乳ロボットではなくパーラーで搾乳しているため、人的資源や時間が必要となります。そのため、51頭(17頭×3回転)以上にならないように出荷などで頭数のコントロールをしていました。
・導入牛
初妊牛と経産牛を購入しています。
初妊牛は、分娩2週間前まで搾乳ロボットの牛群内に入れ環境に馴致→乾乳後期群で飼育→分娩→搾乳牛デビューとなります。
導入した初妊牛を分娩後に搾乳ロボットのエリアに入れるよりも、事前に環境に慣れさせた方が牛のストレスも少ないと考えており、牛たちも先輩牛が搾乳ロボットに入る様子を見ているため、比較的ロボットに慣れるのも早いとのことです。
■ロボット牛群の管理について
・PMR
使用しているアイテムは、「デントコーンサイレージ」、「グラスサイレージ」、「配合飼料」、「塩」、「重曹」、「水」、「炭酸カルシウム」「ビタミン」です。
特に特徴的だったのは、粗飼料でした。
グラスサイレージは、オーチャードグラス&リードカナリーグラス(一部メドウフェスク)を主体とした草地から1~4番草を早刈りしています。
早刈りによりCPが高い牧草を牛に供給でき、単味飼料や配合飼料の使用量を減らせ、コストダウンが出来ることが最大のメリットです。ローパイン牧場様では乳飼比26~27%を維持していました!
デントコーンサイレージも収量を向上させるため、雑草の防除に取り組んでいるとのことです。日常の給与量の設定では、配合飼料の量は常に固定させ、粗飼料で乾物摂取量を調節されていました。
・ロボット内の給餌
ロボット用配合飼料は2種類使用していますが、表ではロボット用配合飼料のトータル給餌量としてまとめています。
初産牛は「5.5㎏」、経産牛は「6.0㎏」を上限として設定していました。
また、乳量連動テーブルが2つに分かれており、分娩後180日を経過した牛はほぼ受胎しているので、乾乳(乾乳期間は50~60日)に向けて乳量と泌乳後期のBCSをコントロールするため、ロボット用配合飼料の給与量を減少させていました。
訪問時の最大給餌量は2㎏/回に設定しており、3回の搾乳で配合飼料を食べきれるように設定していました。
・搾乳設定
搾乳回数のポイントは、「痩せさせないようにコントロール」することだそうです。
初産牛は最大でも1日2回搾乳とし、経産牛も負のエネルギーバランスになる分娩後60日までは1日2回搾乳に設定しています。これは、過去の経験から3回以上搾乳すると、牛が痩せる傾向が強かったため上限を2回としていました。
2産以上の牛では分娩後60日以降は1日最大3回搾乳、乾乳21日前になると、泌乳量を落とすために再度1日2回搾乳に設定していました。
牛のコンディションを見ながら2回→3回に切り替わるタイミングを変更しており、最大搾乳回数を調節するようになってからはエネルギー不足による体重減少や搾乳間隔による乳脂肪率の低下を予防できているそうです。
また、搾乳回数を抑えても乳量に大きな変化は見られなかったそうです。乳脂肪率の高い生乳の価値が高まっている現在の北海道の生乳取引では有効な手段なのかもしれません。
平均搾乳回数は、2.5回と決して多いわけではありませんが、初産牛の平均乳量31㎏、経産牛の平均乳量40㎏と乳量は安定し、繁殖成績も良好で、牛の能力を無理なく引き出していることが強く印象に残りました。
引き続き、搾乳ロボットユーザー様を紹介していきますので、よろしくお願いいたします。
