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タイセイ飼料株式会社

酪農コラム/搾乳ロボット(Lely)におけるKPIについて

今回は、重要業績評価指標KPIの項目について説明したいと思います。
皆さんが気になるKPIは、どの項目でしょうか?

私がノーサファームの日常管理や酪農家さんを訪問した際に、まず確認するKPIについて、内容や数値をまとめてみました。
お示しするKPI数値から外れている場合でも、効果的な成果を上げている方もいらっしゃいます。数値はご参考程度にしていただければ幸いです。

1.乳量
1頭当たりの生産乳量(㎏/日)を示しています。
搾乳ロボットを使用している酪農家の全国平均乳量は37.4㎏/日、北海道平均は37.7㎏/日となっています。(出典:乳用牛群能力検定成績まとめ-令和5年度-)

2.リフューズ回数
搾乳ロボットに訪問したものの搾乳の権限がなく、そのまま退出した回数を示しています。
Lelyが推奨しているリフューズ回数は、1.0回以上/日とされています。
リフューズ回数は、PMRの乾物摂取量や濃度、牛群の産次構成などにより変動します。牛の調子がよい時にはリフューズ回数が増加してくる印象があります。

3.失敗回数
搾乳ロボットで搾乳をしたが、何らかの要因で搾乳が成功せず、退出した回数を示しています。
Lelyが推奨している失敗回数は、5回以下/ロボット/日とされています。
失敗回数の要因としては、乳頭配置が悪い、乳房炎などが挙げられます。
ノーサンファームでも、泌乳後期に後乳頭が重なっている牛や初産は失敗が多く、搾乳ロボットのセンサーやライナーの故障などのトラブルでも失敗回数が増加した事があります。
後乳頭が近いといった場合、搾乳間隔を調節することによって失敗回数を減らすことが可能です。

4.搾乳回数
牛が搾乳ロボットで搾乳された回数を示しています。
Lelyが推奨する搾乳回数は、2.5回/日以上とされています。
ノーサンファームでも、牛のコンディションが良く、乳量が出ている時には平均搾乳回数が3回以上になっていることが多い印象です。

5.泌乳スピード(㎏)
搾乳時に1分間で搾乳した乳量を示しています。
ノーサンファームでは3㎏/分で、1回の搾乳におけるロボット滞在時間が7分/回くらいです。
ロボット搾乳は、泌乳スピードが速い牛は搾乳ロボットに滞在する時間(ボックス滞在時間)が短くなり、ロボットの回転率が上がるため、種雄牛の評価項目でも重要視されつつあります。

6.フリータイム(%)
洗浄や搾乳停止している時間以外で、ロボットで牛が搾乳していない時間の割合を示しています。
Lelyの推奨は、ロボットのメンテナンスなどの影響を及ぼさないためにフリータイムを10%以上保つことが必要とされています。

7.反芻時間(分)
牛が反芻している時間を示しています。
反芻時間の目安は、一般的に450~550分とされています。
ノーサンファームでも反芻時間は非常に安定しており、おおよそ520~550分を推移している印象があります。
ただ、牛群のコンディションが悪くなり、急激な乳量低下などトラブルがあった際には反芻時間が低下することもあり、牛たちの健康状態を反映していると思います。

8.残飼率(%)・残飼量(㎏)
設定した給餌量に対してロボットから排出できなかった飼料の割合と総量を示しています。
Lelyが推奨している残飼率は5%以下とされており、残飼が多い場合は設計メニュー通りの栄養を摂取できません。残飼率・残飼量は給餌設定の変更やPMRの濃度を調節することで改善が可能です。

次回は、ロボットの栄養設計や効率化には欠かせない給餌設定について紹介します。

酪農コラム/搾乳ロボット(Lely)におけるKPIについて